2018~2019 防災・避難用品カタログ
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Special talks16災害時のトイレの役割川原 中央防災会議の「防災基本計画」でも 「最低3日間、推奨1週間」分の備蓄と言われています。特にトイレは、自助・共助が最も必要です。災害時のトイレの役割について、お聞かせください。新妻 「災害用トイレの役割は、疫病等の二次災害防止対策及び健康維持対策である。」と言われております。過去の阪神・淡路大震災、新潟県中越地震、東日本大震災、熊本地震、いずれの地震の被災地においても、上下水道、電気等のライフラインの不全により、特にトイレの衛生環境が悪化しました。トイレの衛生的な処理ができなくなると疫病発生の大きな要因となります。文部科学省の調査において、東日本大震災における避難所で、問題となった施設・設備のトップが「トイレ(74.7%)」でした。避難所生活でもエコノミークラス症候群を防ぐため、水分摂取を注意喚起されても、トイレを我慢するために、水分摂取をためらった人は多くいました。トイレは、人間の生活行為の中でも一番多い行為(トイレ5回・食事3回、風呂1回)です。また、「ガマンができない生理現象」です。人間であれば誰もが必要なトイレ。もっと真剣に考えなければなりません。「トイレ」は、ライフラインである上下水道、電気等のいずれか一つが不全となっても使用不全となる為、喫緊の課題と言えます。災害用トイレに対する社会的な評価川原 災害用トイレに対する社会的な評価が上がってきたのでは?新妻 省庁や地方公共団体の各政策に「災害用トイレ」が記載される時代になりました。弊社が「災害用トイレ」に取り組み始めた阪神・淡路大震災当時は、災害対策の中でも、「災害用トイレ」は「仮設トイレ」しかなく、優先順位が非常に低く、政府・地方公共団体の政策等には、殆ど明示されていませんでした。現在では、災害対策において、「災害用トイレ」の重要性が、食料・水と同等かそれ以上に「重要品目の一つ」となり、省庁や地方公共団体の各政策に「災害用トイレ」が記載されるようになった事も、社会的な評価が向上した証しの一つと思われます。お陰様で、弊社の「携帯トイレ」の累積供給数量も「約5,300万枚」となりました。このように「災害用トイレ」の社会的な評価が向上したのも、御社の永年に亘るご尽力が非常に大きかったと、この場をお借りして改めて御礼申し上げます。当商品は新潟県中越地震・東日本大震災・熊本地震において、政府を通じて、また、地方公共団体へ直接、支援物資として供給させていただきました。実際の災害時に「災害用トイレ」を支援物資として供給させていただいた経験は、特に熊本地震では、政府から初の「プッシュ型支援」(被災府県からの具体的な要請を待たないで、避難所避難者への支援を中心に必要不可欠と見込まれる物資を調達し、被災地に緊急輸送する。供給する品目を食料、毛布、育児用調製粉乳、乳児・小児用おむつ、大人用おむつ、携帯トイレ・簡易トイレの6品目とした。)が発動され、発災後から約3日間、24時間の供給体制を実施した事は、弊社にとって非常に貴重な経験となっております。首都直下地震について川原 首都直下地震についての見解をお話しください。新妻 中央防災会議の「首都直下地震」想定においては、発災3日間は、家庭等の備蓄と被災地方公共団体における備蓄で対応することを想定し、発災後4日目~7日目の4日間の1都3県のトイレの必要回数を、東京都 約1,567万回、埼玉県 約393万回、千葉県 約200万回、神奈川県 約990万回、合計 約3,150万回と想定されております。東京都の帰宅困難者対策施策では、発災後3日間は、救助・救出活動を優先させる必要があるため、被災者の一斉帰宅が救助・救出の妨げとならないよう、企業等が従業員等を施設内に待機させる計画となっております。そのため、東京都の条例では、3日分のトイレ・水・食料の備蓄が努力義務となっております。また、共助の観点から、来社中の顧客・取引先の方など施設利用者の保護に、10%程度余分に備蓄することが推奨されています。また、帰宅途中のトイレはどうするか? 改めて自身に当てはめて考えていただきたい。東日本大震災時、東京エリアではライフラインがほぼ全て使用できたにも関わらず、各所のトイレは大行列でした。もし、各ライフラインが不全となったらトイレはどうなるでしょうか? 東日本大震災時と比べ物にならない規模のトイレ行列となり、トレイパニックになる可能性が高いと推察されます。個々人においても、「携帯トイレ」を自身のカバン等に入れておくことを推奨いたします。東京都葛飾福祉工場への期待川原 東京都葛飾福祉工場への期待と今後の協力・連携についてお話ください。新妻 東京都葛飾福祉工場様は、防災業界の雄。防災業界全般における永年のご経験と実績があります。弊社は、携帯トイレ(凝固シートタイプ)のフロンティア企業。また、東日本大震災、熊本地震において、政府へ「災害用トイレ」を支援した実経験がある企業。両者の経験と実績を活かして、これまでの連携をより一層深め、引き続き、「災害用トイレ」及び「衛生用品」等の普及啓蒙を共に行ってまいりたい。「災害用トイレ」のみならず、「災害対策」は喫緊の課題であると思います。そのような有事に備えて、御社と弊社の相互の協力体制もより一層強固なものとしてまいりたい。共に目指す目標(衛生環境(特にトイレ)分野)として①「災害時にトイレで困る人を1人も発生させない。」②自治体における「災害用トイレ」の備蓄率100%を達成する。③市民の「災害用トイレ」の備蓄率100%を達成する。この3つを、提案いたします。川原 5年後には関東大震災から100年、2年後には東京オリンピック・パラリンピックが控えています。今掲げた目標を是非、御社と一緒に携えて、達成したい。この先も協力・連携していきたいと思います。これからも宜しくお願いします。

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